ぼくの童話/
狸亭
くもり空のおもたい朝
欠伸をしている川獺
頭にかぶっている笠
ぷんと鼻にかおる野糞
きみの眼のまぶしい若さ
よれよれになっている裾
てのひらにあふれる乳房
白い毛の犬がのそのそ
はいだしてきてわらうのさ
とおくにきこえるハライソ
やってくる老いた村長
いつもの方からいそいそ
小狸のあいらしい腹
雨にぬれてるひもすがら
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