このはれた さむいひに/岡部淳太郎
このはれた
けれどもとてもさむいひに
うみにあらわれたはまべで
きみというこどもは
いたずらをくりかえす
うみねこたちがなきながら
きみのいたずらをみている
*
きみがしたいたずらといえば
たまたまこのはまべにあらわれた
さびしいちゅうねんおとこの
ふとったおなかをさすっては
こういっただけだった
ねえ
このなかにあかちゃんがいるの?
*
きみはとしはもいかない
いたずらずきなこどもで
じぶんでも
そのことをよくわかっていて
ひとりではまべをあるきながら
みえないははおやにむかって
こういうんだ
ねえ おかあさん
ぼくはと
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