このはれた さむいひに/岡部淳太郎
 
このはれた
けれどもとてもさむいひに
うみにあらわれたはまべで
きみというこどもは
いたずらをくりかえす

うみねこたちがなきながら
きみのいたずらをみている



きみがしたいたずらといえば
たまたまこのはまべにあらわれた
さびしいちゅうねんおとこの
ふとったおなかをさすっては
こういっただけだった

ねえ
このなかにあかちゃんがいるの?



きみはとしはもいかない
いたずらずきなこどもで
じぶんでも
そのことをよくわかっていて
ひとりではまべをあるきながら
みえないははおやにむかって
こういうんだ

ねえ おかあさん
ぼくはと
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