噴水の日/霜天
うにも曖昧で
とりあえず走ることにして
プラットホーム、朝に、眠っている人に
起こさないようにおはようといって、あなたは
白線の内側へと怒鳴られては、立ち止まる
帰ろう、そんな旅の
いつまでも進めない世界
細長い待合室で
順番待ちの番号札を、一枚といわず次々と
引き抜いていく、ありふれた人、迷わない姿勢で
私はそんな隣で背伸びをしながら
私はわたしから、噴出していく言葉の行方を
ぼんやりと眺めている
どこへも行かない、けれど、どこへも行ける
そんな旅の、どこかで
もう一度さよならと、言ってみることにします
立ち止まるあなたに
噴水みたいに、ばらばらに
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