墜落・その2/
はなびーる
壁の亀裂を
見張っていたつもりが
見張られていたのでした
亀裂はどんどん広がっていって
その向こうに
狼さんが覗いていました
「以前、ふとんの訪問販売を
たのみましたか?」
狼さんは訊ねました
「さあ…知りませんよ」
あたしはとぼけました
「…ふふん」鼻息を残して
狼さんは引っ込みました
もしも「はい」と言おうものなら
「ン十万円まだ入金してません、
すぐ払ってください、さもないと
とって食べちゃいますよ」
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