亀/日朗歩野
 
月の夜でした
池のふち ぼんやりすわっていると
君はひょっこり かおを出した

君は うっとり
僕は びっくり

どこをみてるの?
僕が見える?

僕は小さな声で言ってみたんだ
「こんばんわ・・・」


月はどんどんうごいてく

君は うっとり
僕は ドキドキ


空は淡いソーダ色になり
空気が冷たくプチプチはじけるころ
君はひとつ あくびしたんだ

そうして


「こんばんわ」

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