底流/
便乗鴎
不純物はすべて取り除いて
何度も蒸留した
わたしがいます
つめたい
澄んでいる
淀み
夜のそらそのまま
映しこんでいる
潜りこんできている
そんな部屋だよ わたしの底流
巨大な世界の底辺 果てしない夜の底辺 宇宙の
あるときふいに
割れたプラスティックのボールペン、きみに投げ込まれたら
インクがまるで水中の
花になって
散って
わたしはわたしで
無くなってしまった
わたしは僕に
なってしまったんだ
いつかの部屋を
思い出している
静かに
震えて
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