君へのおもひ/maumi
狂い咲く雷の道を
まだ歩いているというのかね
わたしの脚は動かずにいる
ついには逢えず終いだ
若かりし頃の面影を
ぼんやり思い出そうとするのだけれど
暖炉の前の陽炎のように
ゆら ゆら揺れて
定かにならない
陶器が洒落てた薄暗い灯の明り
珈琲の味は今でもわかるというのに
語った想いの愛くるしい言葉
今でも思い出せるというのに
笑顔だけがぼんやりと
映しだされようとする前に
暖炉にくべた杉の木が
弾ける音とともにまた消えていく
わたしの脚は動かずにいる
ついには逢えず終いだ
シワだらけの手に掴めたものは
君とのおもひで
狂い咲く雷の道を
まだ歩くかね
君のゆく道なら
ゆけばよかったと
頬を伝う涙が
今更ながらに絞めつける
あぁ 暖炉の火も消えてきたか
狂い咲く雷の道 今でもひとりで・・・
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