明滅する千切れた未来と、その色彩/
なるせ
希望があることの無意味さに
いつしか慣れていく
そのいたみを ぼくはどこかで覚えていた
生まれながらに色をしらない この左目でとらえた
一羽の鳩のような白く優しいひかりを
きっと
どこかで手放して
握りつぶした蝶の羽には
なにが刻まれていたのだろう
その瞳は恐らく 終わりのない色彩をとらえた
生まれながらに色をしらない この左目は
いたみだけを憶えていた
きみを忘れた世界のなかで
戻る
編
削
Point
(2)