明滅する千切れた未来と、その色彩/なるせ
 
希望があることの無意味さに

いつしか慣れていく

そのいたみを ぼくはどこかで覚えていた

生まれながらに色をしらない この左目でとらえた

一羽の鳩のような白く優しいひかりを

きっと

どこかで手放して



握りつぶした蝶の羽には

なにが刻まれていたのだろう

その瞳は恐らく 終わりのない色彩をとらえた



生まれながらに色をしらない この左目は

いたみだけを憶えていた



きみを忘れた世界のなかで



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