霜の柱〜しものはしら/阿麻
ゆきはひらひらと 人を寒がらせ
しとやかな霜の柱 身の丈が伸びるあの成長期の痛みが
ひりり
ぎぎぃ
ひぃぃぃぃぃぃ、と夜通し泣き叫んでいた
男のいなくなった朝
皮膚も血も 凍り付いたまま 私は目をさまし
窓の外には 痛みに耐え抜いた
高くて固い霜の柱
それを眺めやり
いくら 恒常的な無情さと
知っていても
声をたてぬよう ひとり泣きむせぶ
やがて このからだも なにかとがったものを包み、溶かすんだとしたら
それが
それこそが わたしたちの
性(さが)
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