息継ぎの音階/かぜきり
ぅ はぁ
合いの手の息継ぎをそっといたします
今夜も、息継ぎは浅く、暗闇を振り仰ぎながら泳いでいます
ときには、深く潜ってみようと愚考をふりかざしてみたくなり
激しく、疾く、命の階を揺さぶろうと
深呼吸を真に真に心のあろうはずの場所、墺なる場所に溜めて
境が見境なくなるほどに定めを撓めてみます
奥へ奥へのほうへと潜ってみたのです
掻き回された人の怪しさのスープの中
長らく浸っていたはずの触覚を分離して
不意を装い途切れることを許してしまえば、と促し
イミテイトノイズをここに自生させることを了解し
疑惑の剣閃をここ(胸をとんと)にむけて
鎖が血であることを手招きする
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