どうぞ、遠くても/霜天
どうぞ、遠くても
椅子など用意しないで
明日と言えない日々のこと
薄くなりそうな約束ばかりで
指切り、唱え続けた数だけ、待ち惚け
長い長い、人の列から落ちる
とりあえずは、笑顔で
指折り
焦がれた日々のこと
なにも無いと言い残しては
長い儀式に戻っていく人
すべてに終わるように見せかけては
終日
手を振り続けている
指折り焦がれた日々
それよりも、そこよりも、遥かへ
このあたり
出来もしない約束ばかりで
慌ただしい毎日がすべてでも
疲れた指、間違いそうになることに
椅子など、用意しないで
僕に
どうぞ、遠くても
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