どうぞ、遠くても/霜天
 
どうぞ、遠くても
椅子など用意しないで
明日と言えない日々のこと
薄くなりそうな約束ばかりで
指切り、唱え続けた数だけ、待ち惚け
長い長い、人の列から落ちる
とりあえずは、笑顔で


指折り
焦がれた日々のこと

 なにも無いと言い残しては
 長い儀式に戻っていく人
 すべてに終わるように見せかけては
 終日
 手を振り続けている

指折り焦がれた日々
それよりも、そこよりも、遥かへ


このあたり
出来もしない約束ばかりで
慌ただしい毎日がすべてでも
疲れた指、間違いそうになることに
椅子など、用意しないで
僕に

どうぞ、遠くても
戻る   Point(7)