慟哭のサーカス/maumi
 
Vで知った 男の名前
今日で忘れる 男の名前
昨日どこかの国で いっぱい死にました
その人達も名前もあり 家族もあり 兄弟もあり
恋人もいて 飼っている猫や犬や 育てている
花もあっただろうに
知らない 名前達
今日で忘れることさえ 出来ない名前達


最後に出て来たのは 髭を伸ばした
黒いブーツ姿の 太った団長様
マイク片手に高々と 声をだす

知らない国の 知らない街で
黒いブーツ姿の 髭を伸ばした将軍様
銃を片手に高々と 声を出し
革命という名の弾丸を 私の国に降らせます

今 また出てきたのは 笑化粧の道化師
サーカスの序章は いかがだったかと尋ねる
コバルト色のカーテン 静かに閉じて
丸いスポットが 儚く消える

瞼の奥に焼きついた 光輪は

走馬灯の終焉を知らせるものなのか
私の終焉を知らせるものなのか

うつむいた 私にはせんなきことか
ただ 伝える口元笑みを残す・・・

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