駅・東京/たりぽん(大理 奔)
。それを列車の資質のせいだと誰がいえるだろうか。この駅には誰もが立ち止まらなければならないのだ。旅人は、自由意志でこの終着駅を選んだのだが、それは理の中に埋没していく。
巨きなダイヤフラムの上で、それぞれの路線を演じる人たちも、その全体からはずれ、暴走するときそれは事故、あるいは犯罪として調査委員会は判断し、対策が打たれる。かくして列車たちは決してこの駅を通過することなく、立ち止まることが平等であると思いこんでいる、と誓わされるのだ。
本当だろうか。本当に旅は死ぬのだろうか。旅人はそれを確かめるためにまたこの駅に降り立つ。
九番線、午前六時四十二分。急行「銀河」はEFに牽かれ
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