LA VIE EN ROSE/スイレンユキコ
怨めしそうに空を見上げる
あなたの横顔に
世界の塵みたい
繰り返し雪が降りかかる
時間は次第に色褪せて
後悔すらも想い出になる
真冬の凱旋門
よどんだセーヌ河
止まらないメリーゴーランド
世界の果てまで連れてって
期待に背きはじめた
薄情な娘のとなりで
苛立だしげに服を着込み
永い冬が終るのを
じっと待ち侘びている
身体の奥底に残った
遠い雪の記憶
何もかもがバラ色だった
散り行くばかりの塵世を
あなたは両手で
強く抱き上げてくれた
犠牲を強いた愛情は
成長する自我と
反比例し消えてゆく
怨めしそうに私を見上げる
あなたの横顔に
罪ほろぼしみたい
繰り返し雪が降りかかる
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