夜への/たもつ
 


夜が

よるが

よ る が

唇に夜

指でなぞって



来ている



+



夜は沈殿する夜
夜を沈殿する夜
夜に沈殿する夜

なんでそんなに



+



ポケット
まぶた
てのひら
すべてに夜

夜に無いもの




+



行きます、夜



+



帰ります、夜



+



夜が転がっている
使い捨ての乾電池のように

あのあたり
コップから溢れ出して



+



ある日、私に届いた一通の書簡







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