百以上は行かない/奥津 強
九十六よ
九十六よ
何故 数は 繰り上がらない
何故 数は 繰り下がらない
九十七よ
基督の 手を 打ちぬけ
その他を 傲慢な 嘘を
つけ つけ
九十八よ
下には 行かない
仏の 目を 打ち抜け
百にて
阿弥陀如来は 空砲を 鳴らす
死んだ 後
大日如来の 男色の 宴
だが 百には 行かない
私の 目が 見えなくなるまで
祈る行為は 浄土での
基督の 建てる テトラポット
風花が 海に 散り
白く 淡く 見えるものは 青いのだ
何故 百を 超えない
他宗の 僧侶の 鐘の音
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