冬舞/木立 悟
 



雨と雪の数えうた
青と金の飾りの手
かたびら かぐら
しずくのふるえ


色と色の板たちが
音の無い地に鳴り響き
しずくの上に羽を描いて
空を少しずつ明るくしてゆく


となりあうものたちは見えず
重なりあうものたちも見えず
風と何かが触れてはじめて
痛みとともにうたは生まれる


手首に降り
手首を伝い
しずくから来るすべての波が
暗がりの舞をふちどってゆく


空は灰の明るさを増し
大陸 ひとつ葉
手のひら 三角
受け取るかたちを地に撒いてゆく


野原にうたを双つ預けて
舞はどこかへ去ってゆく
青と金のまるい波
曇と飾りに打ち寄せる









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