ふゆものがたり/
スイレンユキコ
一月の風が
凍りつく 窓を叩く
眠りに至らぬ 冷たい夜半
明日出て行く この部屋を
片付けても 片付けても
きりがない
少女の玩具は 置いてゆこう
がらくたに 埋もれた
わたしの魂よ いずこへ
たくさんの 荷物を前に
雪の心配ばかり している
冬の美しさを 知りながらも
どうぞ明日は 降らないで
ゆきものがたり
この町で過ごす
さいごのふゆものがたり
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