翼人の子サフィ/イオ
 




「つまんないの」
足元の小石を軽く蹴りながらサフィはつぶやきました。
小石はぽちゃんと音を立てて、サフィの目の前の湖に沈みました。
サフィはひとりぼっちでした。

友達はみな背中に真っ白な翼を持っていて、
自由に青い空を飛びまわっているのですが、
サフィの背中には何も有りません。
だから友達から仲間はずれにされていたのでした。

「つまんないの」
もう一度つぶやいてサフィは湖のふちに腰かけ、
両足を水に入れてバチャバチャとやりました。
程よい水温が気に入って、手で水をすくったりしましたが
すぐに飽きてしまいました。

「つまんないの」
大人たちは翼
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