無音域/A道化
 
 感じ



起こり得るとしたらば今
今しかない 神隠しの刻
無数の投身を続ける雪の 微かな高音
その消失跡の無音にて 繰返し投身が
また 続き
また 続き


何らかの 輪郭に 
殉じたき この身
ああ 何ものの 輪郭にも
殉ぜられぬ この身ならば
無数の雪の 微かな高音から 順に 
無数の微かな無音になる 雪 にて
あああ
今なら
わたしの余地の為に殉じる雪 による
むしろ剥奪するという 逆効果 にて
あああ
今しか


無数の 雪の 投身
その 微かな 高音
その 消失跡に
無数の 無音域
あ 
起こり得るとしたらば今
今しかない 神隠しの刻



2004.1.22.
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