お化け/太郎冠者
 
朝、眠る間際
夢のあわい
世界が豊饒している
男の子たちの恋
地下鉄そばの箱は
紫煙と汗で満ちる
僕と少年は
蟻のように
言葉を運び
触覚で互いを
確認する
集積した言葉は
うず高くなって
溢れそうだ
あなたは言うだろう
それは言葉の屑たちだと
あなたは言うだろう
絶望からは逃れられぬと
レゲエに乗って
僕と少年は
せっせと
集める
組み立てる 
くすぐりあう
身体はゆっくりと
ふくらんで
言葉の廃墟でお化けになって

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