緑の子/イオ
呼吸
呼吸が上手に出来なくて
わたし
わたしは胸を痛めた
けれど
月はかわらず穏やかで
頬はついっと滑るしずくを知った
ぽたん
ぽたんと地面に落ちたしずくは
ひやり
ひやりと降る月光を受け
すぐに
小さな小さな芽になった
それは
瞬く間に樹になった
寄り添うわたしは
やがて
ゆっくりと でも確実に
樹と同化した
呼吸
もはや呼吸は一人でするものではない
ゆっくりと
ゆっくりと
この樹とともに
今 わたしは緑の子
050503
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