水/こめ
がぼくのことを押さえつけて
光が差しこまない
深い底のほうへ引っ張ってきた
まるで幼い子供がじゃれて
服をひっぱってきているようだった
どんどん光が見えなくなり
なにもないなにも見えない
死の世界につれて込まれた
だれかぼくを助けてくれ
そうねがっても誰も助けてくれないってことは
わかっていた
ぼくは意識がなくなった
目が覚めるとそこはいつもの殺風景な景色が
ひろがる
汚れた現実だった
ぼくは汗でびしょびしょになっていた
パジャマを脱ぎ
ため息をつくと
つまらない世界でまた何の意味ない
生活を送っていた
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