蝋燭/こめ
外は雪が降っている
なんかサンタでも来そうないきよいだった
今日ぼくの25回目の誕生日だ
真っ暗な部屋でケーキのろうそくだけが
ゆらゆらと揺れていた
机には真ん中にケーキがあり
シャンパンがありガラスのグラスが2つ
フォークとスプーンとお皿が2つ
イスも2つだけど
座っているのはぼくだけ
ほんとうはきみと一緒に25回目の誕生日を
祝おうって約束したじゃないか
でもその約束を果たす前に
この世から旅だった
ぼくは今後どうすればいいんだ
教えてくれ
そう言ってもきみは答えてくれるわけでもなかった
ろうそくはどんどん短くなってきた
ぼくは誰もいないのに
シャンパンのふたをあけて
2つのグラスにそそいだ
泡が水の中から外に出ようと
必死で上へ上がろうとした
ろうそくはなくなった
暗闇の中でぼくは
孤独になっていった
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