くつぞこ/たりぽん(大理 奔)
 
どこに帰るのだろう
などとは問わない
会社帰りの雪道

星だろうと
街灯だろうと
導かないのならば
ただの明滅だ

一歩ごとに
すり減っていくのは
靴底ではなく
今日の賞味期限

誰にも気づかれることなく
少しずつ
ちょっとずつ



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