生き死にの音のうた/第2の地球
人が死ぬときにする 小さな音を
まねしながら このうたを うたえ
生き死にのリズムで このうたを
「きみは いきろ ぜったいにいきろ
まっくら闇
煌々とひかるのがきみのひとみだけだとしても
きみの音が 旅だって
いま 暗闇にさえ ぶつかった音が する
だから ただ いきろ」
人が死ぬときには 小さな音がする
耳をすませて このうたを うたえ
生き死にのリズムで このうたを もういちど
「きみよ いきて ぜったいにいきて
まぶしい朝だとしても
こころの底には光も届かないだろう
でもきみの音は 沈まずに漂って そして浮かんで
いま 誰かに届いた音が する
だから いきて いきて」
おわらない夜もあるさ
はじまらない朝もほんとうはあるんだ
それでも たしかなのは いきている音がするということ
人が死ぬ
人が死ぬときには 小さな音がする
ありがとうございましたと
それは
きみの音と
きみを知るすべての人の音
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