赤いヘッドフォン/大小島
?」
「ていうか・・・実は今朝起きたらさ、」
「まって。」いつになく強い口調で彼女が言う。
「それって、まさか、赤いヘッドフォンの話?」
「・・・」僕はなにも言えない。
「そんな話はしないで。どうして私に相談する必要があるの?こんな朝早くから私に電話をかけてきて、そんなことを言うの?私はあなたのゴミ捨て場じゃないのなんだって私に赤いヘッドフォンの話をするのよあなたのおうちにあるものでしょあなたが勝手にかんがえてあなたがかってにどうするかきめればいいじゃないあなたはわたしのなんなのあなたはあなたのものでしょ?」
電話がきれる。
横目でちらりと赤いヘッドフォンをみる。
電話はもったまま。
ほらみろ、やっぱりだ。こいつに関わるとこういうことに
なる。
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