捻くれもんのクリスマス/松本 卓也
 
街路樹にへばりついた電飾を見て
綺麗だなと思う心と同じほど
毒々しいと思う心もあって

静寂の午後11時
肩に仕事を抱えつつ
終電に遅れないように

少し駆け
少し歩いて

立ち止まる信号
向こうに見える二人

笑顔
目を背けて
嗚呼

僕は思うほど余裕がなく
恋人達に祝福を願えるほど
貴い心など持ちません

神様

でもどうか この卑しい心根を
救わないままでいてくんさいな

いつかありのままを抱き寄せてくれる
酔狂な聖母が現れる夢くらい
見続けていても良いじゃないか
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