携帯/
草野大悟
君が瞳を閉じたあとも
君の携帯にお知らせメールが
入り続ける
手術前のその日
ベッドの上で
毛布から半分顔を出して
泣き出しそうに頼りなげに
君は自分を写していた
心細かったんだ
怖かったんだ
側にいて欲しかったんだ
ほんとは
ほんとは
こんな手術なんか
受けたくなかったんだ
君の残していった携帯が
君の心を写していた
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