鳥と鏡/
木立 悟
糸のほつれた万華鏡が
壊れかけながら空へ昇り
鳥に追われる鳥を隠した
ふるえつづけるふたつのものが
失いながら抱きあいながら
空を光にもどしてゆく
青と金は互いを呼び
名と声だけが
水になった
光はそそぎ
ふるえは伝い
空は小さくふたたびはじまる
透明の前を透明がすぎ
ゆらぐものもなくすべてはゆらぎ
証を散らして去ってゆく
空を見る目は野に浮かび
鳥と鏡を映したままの
万の華のまばたきをする
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