傷/
たもつ
気付かなかった
キリンの傷に
裏の木々より背が高くなったのは
誰の所為でもないのに
金属のものを身体につけられて
何かの記念のような姿で立っている
沈みかかる夕日を見て
人は美味しそうだと言ったけれど
キリンは決して
それを食べようとはしなかった
首が長い、そのことだけで
キリンはキリンだった
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