悼みて詠う/
比呂正紀
樹木鳴らし吹き抜けてゆく狂風に深夜目覚めるいまさらの孤独
海鳴りのとどろ聴へり魂を貫く声に窓開け放つ
畏みて畏みてなお願わくば我が生涯に苦難与へよ
ひとひとり生れ出でたる悲しみの叫びを謳う荒ぶる風に
幼らの命あまりに短くて悼みて詠う 野に遊ばむか
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