ここでお別れ/黒川排除 (oldsoup)
 
明るくほつれだす端切れ黄泉と見脚部見え

天地間の空室 粒子でチェックアウト

らんたんを提げてまったくあかるい袖

分離帯へ病みかかる木の電飾であるく

花畑を下りた河口でみおくる油

霧は遠い相殺の現場しかと流れ

番兵無為無策の手振るう忘我の南国

投げた枕が東に沈むを見てうしなう

手を合わせ拝む寡婦から海苔の発行

ひかりのうしろの墓碑の林を雑居する

砥石より離れた市長とダムで触れ合う

明後日和・便りなど崖に一夜干し

飛び方をどこでおぼえて散り来る鋼

肉の親の他に動くものなし

道路に石を忘れて家で浮いている

花から嘴が出る昼の窓が閉まらない

水のない湖畔で夢を蝕む寝耳

雲間から里子見え徐々に一点の飛行機

こおりごを階下に据えて耐え忍ぶ

つぶらな瞳一面の雪を幽に結ぶ

鎖錆びまつわる框に届く砲丸

ロッジへ北へ末裔の爪が裂きながら

類似する見知らぬ老いたひとを引く

陸橋果つ先の欄干結界で括る

まだ夢を噛んでサーキットを徒歩で
戻る   Point(5)