ここでお別れ/黒川排除 (oldsoup)
明るくほつれだす端切れ黄泉と見脚部見え
天地間の空室 粒子でチェックアウト
らんたんを提げてまったくあかるい袖
分離帯へ病みかかる木の電飾であるく
花畑を下りた河口でみおくる油
霧は遠い相殺の現場しかと流れ
番兵無為無策の手振るう忘我の南国
投げた枕が東に沈むを見てうしなう
手を合わせ拝む寡婦から海苔の発行
ひかりのうしろの墓碑の林を雑居する
砥石より離れた市長とダムで触れ合う
明後日和・便りなど崖に一夜干し
飛び方をどこでおぼえて散り来る鋼
肉の親の他に動くものなし
道路に石を忘れて家で浮いている
花から嘴が出る昼の窓が閉まらない
水のない湖畔で夢を蝕む寝耳
雲間から里子見え徐々に一点の飛行機
こおりごを階下に据えて耐え忍ぶ
つぶらな瞳一面の雪を幽に結ぶ
鎖錆びまつわる框に届く砲丸
ロッジへ北へ末裔の爪が裂きながら
類似する見知らぬ老いたひとを引く
陸橋果つ先の欄干結界で括る
まだ夢を噛んでサーキットを徒歩で
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