なにもない森/英水
数年来、乳脂肪の丘に佇んでいる
そこは森だった
森には十字がびっしりと生えていた
木は一本も生えていない
それでもそこは森だった
オレは森に尋ねた
「君たちの屹立した性器はどこにいるのだろう?」と
オレジャオレハオレハオレハ
ボッキボキボキボッキボキ
シテシテイナイイイイイイィィィィ
ギギィィィィイギ
襟に隠した耳がやたらと顔を出そうとするので
オレは固唾を飲んで口を澄まし、
澄まし顔をした
オレはそこで、明らかに何かを見つけようとしていた
腹が減ったら、乳脂肪をちぎって食べた
乳首を枕として、そして寝て、起きた
朝立ちしていた
俺だけが、屹立し
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