ペテルギウスの夜/たりぽん(大理 奔)
 
ペテルギウスが
燃えて寒く震える
凍り付いた瞳の結晶の奥で

星が流れたとき
湖に波紋
魚も鳥になる夢を
みるのだね

  手段や技術で語られるものは 
  やっぱりそれに規定される
  ほんとうの夢には目的しかないのだと
  水面に石を投げ

   同心円に広がる
   二つの波紋が
   足下の岸辺で
   ざわめく

 僕には方法がないけど
 夢見る空はある
 と、凍える星の
 角度を数えながら

あなたの翼になろう
と言いかけた
私のくちびるを
いたずらにふさぐ

ずるい接吻と
ペテルギウス





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