洗う心/ナオ
はためいてシーツに薄い陽光が 子どもの声に混ざり合う午後
その染みは一夜限りの葡萄酒の 漂白剤も消せぬ痛みよ
おしゃれ着かどうかわからぬ衣取り 迷えば君はいつもエマール
格安で引き受けている世の汚れ クリーニングの深夜の明かり
使い捨て嫌いマイ箸洗う背に 地球の緑ひとり輝く
洗濯機まわす傍ら歌綴る 言葉で君を洗える気がして
殺菌はしないで洗うわ毒舌のあなたの口にシャボンの香り
青い鳥キスをいくつか贈りましょう 星がこぼした言葉のあとに
毛先まで指先リンス染みている 君の髪なら何度梳いても
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