生きる/The Boys On The Rock
俺はヒトの太祖である父の唯一の跡とりとして
この埃っぽい大地にからす麦や大麦をふたたび撒こうと思う
おまえの残した羊や山羊を引き取り
父の家をさらに大きくしようと思っている
だが 俺の額のみしるしに
木や 鳥や 泉や 家畜
父母ですら あからさまな嫌悪を隠さない
それは呪いの印であると
朝暮の祈りのときですら 俺は疎外されるのだ
だが 俺は
水遣りを忘れた小麦のようにしょぼくれたりはしないだろう
辺境をさすらうおんなどもをかどわかし この胸に抱いて
俺の生命の杖にて 祝福してやるのだ
おんなどもに 俺の呪われた子供をたくさん産ませ
いずれは 俺の裔でエデンの周囲を埋め尽くしてやるのだ
そして きっと俺の子孫から地の王が出てきて
そいつは天上の父の裳裾を掴めるほど 高い塔を建てるはずだ
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