マジェスティック/かなりや
マジェスティック
あなたは もう動かない手足をもてあまして
冬の
ストーブと陽ざしがあたたかなベッドルームで
ところどころうすいピンク色の毛布に
顔をつっぷして
泣いているような
嘆いているような
蚊のなくような
声で
マジェスティック
そんなひとこと
わたしは待っていたんじゃなくて
そんな
愛のことばでも
なぐさめのことばでも
いつくしみのことばでも
ないような
そんな
あなたのためだけのことばなんて
待っていたわけじゃないのよ
そのひとことを聞いた瞬間
あたしの足
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)