白いしじま/イオ
 





真夜中のため息は
やがて
真っ白い湖になって
少女と猫が
弾む足取りで渡っていった

その水面の足跡は
白い蓮の花に生まれ変わり
ひめやかに
ひめやかに
ささめくように
凍れる歌を歌い始める

花が疲れきって眠る頃
人々は眠りから覚め
早朝の
白いしじまは去っていく




050503
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