フラグメンツ #91〜100/大覚アキラ
ていませんよオホホホホ
うるさいぞばあさんや
ばあさんこそ詮索なんぞするもんじゃないぞ
#94
坊や
もう涙をお拭きなさい
ほら耳を澄ましてごらん
聴こえるでしょう
バッファローが牽く橇に乗った
サンタクロースが吹き鳴らす
あの憂鬱な口笛が
#95
宴会が終わったあとの焼肉屋のテーブルは
まるで空襲のあとのようだった
焼け焦げた肉片
血の滲んだ皿
油の浮いたコップの水
折れた箸
裏返った靴
酔い潰れて倒れる者
隣のテーブルではまだ空襲が続いている
肉は炎に包まれている
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