まゆ/
まんぼう
むらをぬけるみちに
かわいたかぜがふき
しろいつきがうかんでいる
露を含んだ緑の苔は朝の光に酔いしれる
ガラスも
きんもくせいも
しろくすながつもり
遠くから呼ぶ声は銀色の波形となり
ゴムぞうりの
ひにやけたすあしにも
しろくすなはつもり
眼差しはレンズを濡らす雨となり
ひのひかりは
かげとなり
たちどまる
年老いた男は灰色のまぶたを閉じる
ふるいまゆは
このはのようにかれて
こわれたことばをつつみ
寂しく枯れ野は永遠を宿す
戻る
編
削
Point
(1)