オレンジ。朝。/青色銀河団
オレンジからあふれる香気。
呼吸するように光る朝。
満ちる朝の空気のなかで
わたしは
透明な部分となって小石のように転げ落ちる。
覚醒するとき
海はともだちだ。
水色の水平線に遠く浮かぶわが霊魂。
の。
海のなかの糸でんわ。
その
消失。
ある夏の日の
火の粉と
ともに。
所有するために
月は
濡れた日記となり。
濡れた傘となった。
それはわたし。
野原の蒸気のように
すれちがう
わたし。
淋しく空気が震え。
かぼそく空気が震え。
わたし、
あの
秋空のように延びなさい。
戻る 編 削 Point(5)