ゆきしろ/とうどうせいら
ここは
いつも広くて
息が白くて
冷えてて
がらんとしていて
音は全て霞んだ帳の向こうから
聞こえて
私は
怒っていたし
恨んでいたし
頑張り過ぎてたし
叫びたかったのに
気がついたら世界はもう
どこか遠くの方で回っていたの
頭はぼんやりとして
何を思ってここまで来たか
忘れてる
雪と田舎と猫と孤独が
私のそばにある
静かに
だから私も黙って立っていたら
それで丁度よかったの
結局
私は何も変わらない
でも凍てつく指先を
舐めたら
バニラアイスの味がしないかしら
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