彩花/落合朱美
 


君は大丈夫かと聞かれて
頷いたとたんに
胸のどこかがとくんと疼く

いつもそう
小さな嘘をつくたびに
私の中の私はそれを見逃さない

ねぇ ほんとうに独りでも
生きてゆける女なんか
この世にどれほどいると
貴方は思うの


花のように艶やかな女たちの色は
自らの色と愛する男たちの色が
混じりあってこそより美しく放つ色

誰もひとりでは彩れない


せいいっぱい意地を張って
遠ざかる背中を見送る
疼きつづける胸を抱えて
爪先でそっと土を蹴る

彩れない女なら
私はせめて
モノクロームの花になりたい









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