積木くずし/
櫟 伽耶
たくさん集めて
壊して
壊れて
砕けたかけら 握り締めて
消えない印を刻んだ
あかく にじむ
その印を
いつか 優しく抱けたら
その時 私は
何も壊さずに生きていけるだろうか
この胸の痛みはきっと消えないけれど
現実を恐れて
夢に住んだ
痛みに慣れたからだは
痛みを感じず
痛みに慣れたこころは
痛みを求めた
だから壊して
いくつものかけら
拾い集めて
泣いた
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