ジャンクション/霜天
 
朝になればよかった
朝に向かえばよかった
夕暮れは言葉のように少しずつ薄れて
地図はただ一色の紙切れになっていく

なぞっていたはずの大通りは
いつの間にか細い線になった
アクセルを踏み込む足を床に置けば
そのまま眠っていける気がする

あの日いつもの雑踏で
君は少しずつ紛れていった
手には壊れた腕時計を持って
あの頃は世界を、どこからも見ていなかった


右か左かを迷うから
そこからすべては詰まっていく
急かされるように潜り込む、その向こう側で
今日も、誰かが消えていったりする
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