傍観/松本 卓也
 
わせて安心する
不幸を自分以上に背負う存在
巻き込まれたくないという感情
無関心な瞳は何よりも冷酷

確実に 僕もその中の一人で
偉そうな事言ったって 隠せない罪
悲しくても 哀しくても
僕だって 苦々しいんだ

価値なんて無いんじゃないかって
何度も何度も問い続けていた
答えは常に見つからないけれど
こんなものに塗れたくない

僕の感性を通した瞳の向こう側は
今日 いつにも増して醜く歪む
鏡に写る姿もまた 同じだった
僕は何に許しを請えばいいのだろう

見えなくなって随分と経つ
今でも繰り返す営み
いつまで続くのか 続けるのか
終らせる事など怖くて出来やしないのに

【2004/6/20 筆】
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