ループ、その手のひら/霜天
 
入りそこねたり
行ったり来たり、いろいろな角度で
定まらない覚悟で溶けていきそうになる
落書きをする、つまらなそうな顔と筆先
踏み込むための一歩と、スタートラインの石灰
舞い上がればこびりついて、落ちなくなるだろう、と
入りそこねたり


その音楽室からはチャイムの音は聞こえてきません
緩みかけた廊下の隅で、つかみかけた明日のために
縄跳びをただひたすら、跳ぶ人がいたりします
そこにある手を握り締めたり、握り返されたり
予行演習ばかりの日々を
時計はただくるくると回転します
緩み、はじめている箱の中
跳んでみたり、寝転んでみたり、振り返って
みたりで



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