反骨の神/みしま
この世には黄昏時のよに
平凡を知り
不平を嘆く場所があり
自らを見る顔がある
眠りから徐々に覚めた目が見つめるは
限りなく灰色に潜られた街
人々はわが身にただ 不可蝕な不安を覚え 真っ白に見えた
その胸の内は不器用にも蝕まれた巣窟。
限りなく生に近い死を その内に招いてしまった
仮宿のこの体から
もたらされた魂まで
与えられた時代の内。
今を選び
今に選ばれた子よ
間違いが間違いでない事を
正しさが正しさでない事を
痛い程 その心で知っているだろう?
袋から出た そのか細い声で
誰を呼ぶ、何を話す。
この世の不義を伝えようか?
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