さがしもの/
もろ
て
笑って見せると
理由っていう名前のつくものがなければ
ぼくは生きられませんか?
私の手の中で
ふっと重力に従って
まるでぬいぐるみのように力を失う。
その日の夜も
次の日の夜も
くまも
ひつじも
ぞうも
誰も目を覚まさないのは
あの日のくまのさがしものを
私が見つけられずにいるからだろうか。
そんなもの
見つからなくたって
私は今日も
あなたに会いたいのに。
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